株式会社 奥山建設

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住まいのコラム

Vol.002夏を楽しく暮らしたい

夏を楽しく暮らしたい

ジリジリと音をたて肌を焼く夏の太陽、プールではしゃぐ子供達の歓声、アマガエルの合唱、モクモクと空に浮かぶ入道雲、そして冷えたスイカに夏祭り。楽しい季節がやってきました。夏を楽しむ為に、家はしっかりと休息を取れる場所にしたいですね。

日本の夏は過酷?

私達の過ごす夏の過酷さについて考えてみます。一番に思いつくのは「暑さ」です。気温と湿度が高く、あまり風が吹かない埼玉県の夏は、厳しい条件が揃っています。熱帯夜に窓を開けてみても、心地よい風が吹きぬけることもなく、爽やかさを感じることもありません。ムワッとした空気が肌にまとわりつきます。暑がりと寒がりで快適感の違いはありますが、人間は暑さに強く寒さに弱い進化を遂げた動物です。北の国に暮らす動物は毛皮で身を包み、寒さに強い体を持っています。それとは逆に私達の祖先は毛皮を捨て、発汗機能を発達させ、暑さに強い体へ進化したそうです。

 

汗は蒸発する事で体温の上昇を防いでくれます。暑さをしのぐ為には汗が蒸発しやすい環境が必要なのです、しかし湿度が高いと汗の蒸発が進まず発汗による冷却機能が活かされません。私達の体は高温多湿が苦手です。加えて涼しさを与えてくれる自然風もほぼ期待出来ない埼玉県の夏は、私達人間にとって過酷な環境といえます。

 

昨年、熱中症により救急搬送された方は全国で3万9,489人、内埼玉県では2,907人でした。高温多湿な環境下では、うまく体温調整が出来ず汗をかき続けます。結果、大量の水分と塩分を失い、体内でのバランスが崩れることが熱中症の原因となります。熱中症は、日中の屋外のみで起こるものではなく、屋内で重症化する事例も多くあります。屋内を快適な温度に下げ、しっかりと体を休ませることが健康を維持する為には大切です。

画像:都道府県別熱中症傷病者搬送人数員数(平成24年)

エアコンを上手に使う

高温多湿の環境で快適・健康に暮らすには上手にエアコンを使う事が良いと思います。エアコンは温度と湿度を同時に下げてくれます。扇風機やサーキュレーター、シーリングファンと併用することで、効果的に体感温度を下げる事が出来ます。

冷房を使わない事が消費エネルギー削減のために重要だと考えておられる方も多いようですが、1年間でみると暖房エネルギーの方が大きく、給湯・照明・家電に消費されているエネルギーの方が圧倒的に多いのです。

円グラフ「家庭における消費エネルギーの内訳」をご覧頂くと、冷房エネルギーは1.8%であることがわかります。省エネ意識の高まる昨今、エアコンの過度の自粛によって体調を崩される事の無いようにして頂きたいと思います。

画像:家庭における消費エネルギーの内訳(2009年度)

エアコンの上手な使い方

発生源①住宅内で発生する熱について

住宅の内部で発生する熱を考えてみて下さい。テレビ、パソコン、照明、冷蔵庫、洗濯機、炊飯ジャーなどは、電気を消費している時に触ってみると熱を持っています。また、人間も一人当たり約100wの熱を発生します。これらの熱が室温をじわじわと上げています。家電と人間を併せておよそ1000wもの内部発生熱があると言われています。

 

発生源②太陽熱について

太陽の熱は外壁・屋根・床、換気、窓から入ってきます。窓から入ってくる熱量に着目します。夏は朝と夕方、東西面から入ってくる日射熱が大きいのに対し、日当りの良い南面の窓から入る熱量はそれほど大きくありません。(左図参照)南面では太陽高度が高く、ガラス面に直入するエネルギーが小さくなる為です。

夏季において、東西面にある窓は大きな熱の入口。南面の窓は小さな熱の入口と覚えておいて下さい。

 

エアコンを上手に使う1つめのポイントは、住宅内で発生する熱を小さくする、すなわち家電製品を無駄づかいしないことです。家電製品が熱を発生する小さなヒーターだと考えると自然と電源をオフにしたくなります。 2つめのポイントは、太陽の熱を室内へ極力取り込まないことです。よしずやシャッターを活用して日射を遮る暮らしの工夫はとても効果があります。これから新築やリフォーム工事をされるお客様には、外壁・屋根・床の断熱性能を高めることと、窓には周辺環境に応じて庇や遮熱性能のあるガラスを採用することをお勧め致します。 また、湿度の高い日に窓を開け外部の湿気を取込んでしまうと、除湿する為にエアコンはエネルギーを消費します。快適感を得る為にさらに電気を使うことになってしまいます。消費電力の小さな扇風機やシーリングファンを併用することでも体感温度は随分変わります。普段より1℃設定温度を上げ扇風機を回してみて下さい。

 

楽しい夏を過ごす為に、休息の場である自宅は「快適な環境」とし、夜はゆっくりと体を休めたいですね。小さなエネルギーで、健康快適に暮らして頂けるよう、日々住宅について学び続けてまいります。

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