Vol.004COCOCALA FPの家×パッシブデザイン
設計手法の構築を目指した商品開発
少し変わった商品開発プロジェクトになりました。最高峰の保温性能を誇るFPパネルを採用した家づくりをもとに、太陽光や自然風といった自然の恵みを有効活用する設計手法の構築を目指しました。蓄電池や太陽光発電といった機械設備に依存したスマートハウスではなく、見た目のインパクトに特化したデザインハウスでもありません。
プロジェクトメンバーには、これからの工務店経営を担う30代の仲間が7社から集まりました。7月にチームを結成し、10月までに累計100時間の会議を行いました。期間中には、自立循環型住宅設計講習会(講師:野池政宏氏)へ参加しパッシブデザインの概念や蓄熱量と室温変化の関係を学びました。
そして、寒い冬には太陽の熱を取り込みポカポカと暖かく、春や秋には自然の風を取り入れ心地よい涼しさを得る、暑い夏には陽射しを遮ることで少ないエネルギーで快適に住まえる家「COCOCALA」が生まれました。より一層小さな光熱費で健康・快適な生活を送れる家をご提案致します。
目に見えない緻密な設計
「住まいのコラム Vol.002」でも取り上げたように、埼玉県における季節ごとの冷暖房負荷を比べると、圧倒的に冬の暖房負荷が大きいことがわかります。冬の暖房負荷が小さな住まいは、住まい手にとって安心であるばかりでなく、電気や灯油といったエネルギー消費量を少なくする事でCO2排出量削減にも貢献できる住まいです。環境問題・化石資源枯渇問題・原発問題といった私達が暮らす社会の抱える問題を真摯に捉えた先に見付けたものは、メンテナンスや更新の必要な機械設備の提案ではなく、感覚的判断要素の大きな目を引くデザインでもありませんでした。「COCOCALA」では、高い保温性能を持つFPパネルと、高い気密性能を実現する設計施工技術をより効果的に活かす、パッシブデザイン手法を取り入れました。
具体的には次の3点です。
①太陽の高度を調べ、冬の採熱と夏の遮熱計画を行う。
②地域の風向き(卓越風向といいます)を調べ、自然風利用計画を行う。
③蓄熱計画を行う事で日中の熱を夜間に利用する。
窓の大きさ・位置・庇等の設計が住宅の価値を高めるということです。目には見えない緻密な設計の知識を、これからの家づくりや、リフォームのために是非ご参考にして頂けましたら幸いです。
COCOCALA