株式会社 奥山建設

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住まいのコラム

Vol.007豊かで人間的な省エネルギー社会を目指して

加藤です。先日50歳になり四十肩や老眼に悩まされる今日この頃。平均寿命からみれば折り返し点は既に過ぎ去り、終盤戦に向けての準備段階に入ったといえます。終盤戦に入りましたらエネルギー出力も消費もジワジワと下げていきたいなどと思っておりますが、まだ色々とすべきことは山積みです。というわけで、ここ数年私が最重要テーマとしている家庭の「省エネ」について書くことに致しましょう。

ところで皆さん「省エネ」されていますか?

恐らく「震災から3年経って、だいぶ意識も薄れてきましたけれど以前より省エネになっていると思います。エアコンの温度設定は気にしているし、電球をLEDに変えたしね。」という感じですよね。私もそうです。では皆さんに質問です。

 

震災前と震災後でどのくらい「省エネ」になりましたか?

さあどうでしょう。これにさらっとお答えになられた方はかなりの達人ではないでしょうか。答えるためにはまず電気やガス等の「使用量」を記録していないと答えられません。さらに質問です。

 

皆さんの家庭はよその家庭に比べて「省エネ」ですか?

これは、まず答えられない、答えられないのが普通です。しかし、この2つの質問に答えられないと、どれだけ「省エネ」なのか、「省エネ」でないのかがわかりません。

 

ここで、2つの事実をお伝えしましょう。

①1985年頃から2007年の間に家庭部門のエネルギー消費は2倍に増加しました。

②2011年(震災の年)と2012年の家庭部門のエネルギー消費は目に見えて減っていません、ほぼ同じです。

 

私は震災後に①の事実を知り、公私共に省エネに取組んできました。実際、我が家のエネルギー使用量は大きく減りましたし、弊社で一昨年立ち上げた「暮らし省エネ研究会」にご参加のOBご家族でもエネルギー使用量をこつこつと減らしているご家庭が存在します。しかし、家庭部門のエネルギー消費は横ばいです。もしも、このまま省エネ意識が薄れていけばエネルギー消費削減どころか増加の道をたどるのではないでしょうか。未来のためにそれはもう許されないはずなのに。

 

「暮らし省エネ研究会(通称くらけん)」を立ち上げました。年3回ほど定例会を開催し消費エネルギーを比較したり暮らしの工夫や改善案などの情報交換を始めました。楽しく省エネを進める仲間が少しずつ増えております。定例会の開催情報は弊社ホームページのイベント情報をぜひチェックしてください。「くらけん」では、エネルギー消費の記録と比較に「1985アクションナビ」を使っています(「1985アクションナビ」で検索してみてください)。「1985アクションナビ」は登録(無料)して毎月の使用量を記録していくと、都市別・家族数別での平均的なエネルギー使用量との比較ができます。

 

「くらけん」へのご参加と、「1985アクションナビ」へのご登録をぜひともお願い致します。共に、豊かで人間的な究極の省エネルギー社会を目指そうではありませんか!

 

1985アクションナビ

https://econaviom.net/an/ActionNavi/

 

 


暮らし省エネ研究会とは

私共で手掛けてきた高断熱高気密住宅も今では累計200棟を数え、住まい歴10年を超すご家族も増えてきました。家族構成の変化に加え暮らし方の多様化も年々進んできています。そこで『暮らし』と『省エネ』という切り口で、より活発な情報交換の場として『暮らし省エネ研究会』を立ち上げました。(通称を「くらけん」といいます。)

 

第1回定例会レジュメより抜粋

奥山建設では、高断熱高気密住宅の住み方をお伝えし、住まい手の希望や悩みをお聞きする『住み方セミナー』を96回開催してきました。FP工法を手掛け始めた平成6年には、比較的温暖な関東圏で高断熱高気密住宅の認知度は低く、その住まい方をお伝えする必要があったと聞いています。全館換気システムを365日24時間運転し、冷暖房を使用する期間にはエアコンを連続運転させる暮らし方は、それまでの認識と大きく異なるものだったろうと想像されます。

住み方セミナーでお伝えしてきた事

・エアコン温度設定は控えめで連続運転を

・壁等からの輻射熱が快適性のポイント

・冬季の太陽熱の利用方法

・夏季の日射熱対策とその必要性

・乾燥対策 (加湿器の種類と消費電力)

 

皆様にお伝えしてきた、高断熱高気密住宅の住まい方はそれぞれのご家族にマッチした形で熟成されてきています。自宅の光熱費データを収集分析しストイックに光熱費削減に取組むご家族や、太陽熱温水器の効果を分析し情報提供下さるご家族もいらっしゃいます。この夏にお引渡しした、初のゼロエネルギーハウスでは、お施主様にもご協力頂き消費電力と発電量の推移を分析しているところです。この分析では大変面白い発見がありましたので、次の機会に紹介させていただきます。

 

「くらけん」の取り組みは加藤のブログで発信する事になりました。省エネ生活にご興味あればぜひお読みいただければと思います。弊社スタッフであり住まい手として17年選手でもある『永野さん家』をモデルに冬・夏の工夫を展開していく予定です。私も「くらけん」の一会員として楽しい省エネを目指して参ります。

 

 


 

暮らし省エネ研究会 第5回定例会レポート

太陽熱だけで、美味しく料理!

まずソーラークッカーの伝道師大和田さんを講師にむかえてのワークショップです。何しろ太陽の熱を利用する料理なので全てはお天気次第。参加者の皆さんの行いが良い様子で晴天。絶好のコンディションでした。

炊き込みご飯、パウンドケーキ、ゆで卵、ポップコーンを太陽の力で調理します。料理が出来上がるまでソーラークッカーの歴史から種類、太陽エネルギーの素晴らしさを学びました。身近なエネルギーを使うワークショップをきっかけに「小さく、賢く、楽しく暮らす」ビジョンが広がって行けば良いなという大和田さんの志が伝わって来ました。

どっちがお得!? 太陽熱温水器 真空管式VS自然循環型

いつも建材でお世話になっている大和屋さんが「真空管式太陽熱温水システム」の実証データを持って来てくれました。

実は第1回くらけん定例会で、ユーザーのIさんが測定した自宅の太陽熱温水器のデータを皆で検証をしました。Iさんは1年間ほぼ毎日、水温と出来たお湯の温度を黙々ととり続け、気象庁データと組み合わせた資料を提出してくれたのです。そこで、冬場「自然循環型」の熱の損失が大きいのだろうなという話もしていました。ですので損失の少ない「真空管式太陽熱温水システム」だとどんなデータになるのかは興味の有るところでした。

 

Iさんの「自然循環型」のデータ(冬場の比較)

出来たお湯の温度の最低は1月21日の5.9度、最高は2月24日の46度、40度を上回ったのが7日。ほとんど追い焚きしないといけない感じです。

「真空管式太陽熱温水システム」のデータ(冬場の比較)

出来たお湯の温度が最低で20度台になったのが2回。先ほどとは逆にタンク上部の温度が40度を下回ったのが7日程度。やはり圧倒的に効率が良いのです。

 

あとは価格をどう考えるかですね。とは言え、こうして実証データを比較して見る事が今まで出来なかったので大変ありがたいことです。こういう実証データを比べて、それぞれが何を採用するか判断して行けるという事が重要。大和屋さんありがとうございました。

 

測定データはこちら
http://katosans.exblog.jp/24004680/

最後に、参加者の家庭の消費エネルギーを確認し、より賢く省エネするためのディスカッションを行いました。

最初は「Mこし」さん。
入居4年目、オール電化住宅にお住まい。くらけんメンバーの中でも飛びぬけて省エネ暮らしを研究実践されているMこしさんは、オール電化にしては冬場のエネルギー消費が少なめです。
その理由は色々あるのですが、今回驚いたのがエコキュートの使い方。Mこしさんはこれまで運転設定をあれこれ変えて実験してきました。現在、エコキュートの運転モードは「夜間のみ沸き上げ」かつ「最少の湯量」。ただし、最少の湯量にしても蓄湯量表示が2コマ残ることに着目。この無駄分を無くすために、朝6時頃に沸き上げを強制的に止めてしまうのだそうです。
この話しで会場がどよめきましたが、Mこしさんは何食わぬ顔で「湯量がピコピコ点滅してもまだ結構使えるから大丈夫」とクールな回答。エコキュートをマイコン任せではなく自分のコントロール下においているMこしさんにシビレました。

タンクに貯めるという仕組みは、余裕(余分なお湯)=無駄なエネルギー消費 をどうしても伴ってしまう。微量だとしても毎日の事なので結構積み重なるわけです。それから、Mこしさんがもう一つとんでもない自由研究を提出してくれました。長くなったのでこれはまた後ほどブログに書きます。

 

Mこしさんの消費エネルギーはこちらからチェック!
http://katosans.exblog.jp/24014855/

続いて「TANAKA」さん。
1月のエネルギー消費に注目。ちなみに電気ガス併用、暖房はエアコンです。それでは問題です。1月だけドカーン!とエネルギー消費が平均値を上回っている原因は何でしょうか。ヒント:エアコンの関係です。ダイキンの最上位機種を採用されています。

 

答:エアコンの「加湿暖房(うるる)」運転。

 

私達の仲間では加湿暖房「うるる」は電力を消費するから要注意とされています。TANAKAさんもそれは重々ご承知でしたが、上位機種の方が値引きが大きく安くできるとの店員さんの勧めにより「うるさら」購入となったのでした。ですので「うるる」運転はしないおつもりでいたのでしたが「快適エコ自動運転」という素敵な言葉につられてそのモードをONしてしまったのが運の尽き。…しかし、さすがTANAKAさん。検針を見て驚いて、私のアドバイスより早くご自分で原因究明。素敵な名前のモードをOFFにできました。皆様も、何やら素敵な言葉にはお気を付け下さい。

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